突き指の治療法

突き指の治療法や予防方法、また突き指のテーピング方法を専門に初心者向きに解説しております。

1ヶ月以上痛みが引かないケース

 突き指は、スポーツ外傷の中でも発症率がとても高い指関節の障害です。

 その為、身近に頻繁に発症する事から、骨折などと比較すると軽視されがちであり処置も徐々に曖昧になりがちです。

 しかし、突き指症状はケースによっては中々治らないケースも多く、突き指を発症してから1ケ月・2ヵ月・3ヵ月、時には半年以上痛みが継続するケースもあります。

 この場合は、突き指以外に骨折が無いかなどの確認を行う事も必要になってきます。

 目安としては1ヶ月以上痛みが引かないケースはすぐに病院の診察を受け適切な処置、判断を仰ぐことが大切です。

突き指が治らない場合に考えられる要因

 突き指が治らない原因は幾つかのケースが考えられますが、最も多いのは突き指を発症後に適切な処置が行われずに時間が経過してしまったケースです。

 症状の特徴としては、本人は常時痛みを感じていながらも、指をある程度動かすことも可能となっている状態です。

 このケースでは我慢しようと思えば我慢できてしまう状態でもあります。

 その為、我が子が痛みを継続的に訴えていたとしても本人も「でも大丈夫」と言ってしまう為、親としても時間が経てば治るだろうという思い込みがちです。

 そして、やがてその状態に慣れてしまい、結果的にずるずると数か月経過していたというケースも実際に多くあります。

 このように突き指が長期間治らない場合では、初期段階での応急処置が適切に行われずに、その後もある程度動かせる状態である事から治療せずに放置されていたケースが大半のケースを占めるのです。

突き指が長期間治らない原因【画像】

 腫れがはっきりと確認できるような状況であれば見逃さない場合もありますが、突き指の場合は腫れが小さく解りにくいケースもあるのが長期化を招く要因のひとつでもあります。

2週間以上治らない場合は突き指以外の可能性も

 突き指の痛みや指関節の腫れが2週間以上続く場合は念のため、突き指以外の可能性の検討も行う必要があります。

 突き指によって指関節の靭帯組織の損傷が大きくなっている場合は、関節が緩んでいる可能性が検討されます。

 この場合は関節に軽い負荷をかけてストレステストを行い関節の状態を確認します。

 指関節の周りの靭帯組織、腱組織の損傷度合いが強い場合は突き指であっても回復までに時間がかかります。

 また、突き指以外の症状としては骨が一部剥離する「マレットフィンガー」の可能性、また指関節の骨折、成長期の子供特有の「骨端線離開(こったんせんりかい)」などの可能性も検討されます。

 マレットフィンガーは人差し指、中指、薬指、小指に発症しやすい傾向があり、発症率自体は低いものの病院で診察を受けない限り症状を確認するのは困難です。
⇒マレットフィンガーの解説はこちら

 指関節の骨折は全ての指関節で発症する可能性がありますが、「スキーヤーズサム」に代表されるように親指の場合は長期化しやすく3ヵ月〜半年程度痛みが継続する事は珍しい事ではありません。
⇒親指の突き指の特徴・治療法

 骨端線離開は成長軟骨板(骨端線のこと)が何らかの衝撃を受けて開いてしまう症状の事です。

 成長期の子供の骨は、骨が成長する為に骨の骨端部に成長軟骨板と呼ばれる軟骨で形成された板状組織があります。

 この成長軟骨板はレントゲンでは黒い線のようにはっきりと確認でき、第二次成長期が終わりに近づくと隙間が埋まり見えなくなっていきます。

指関節の骨端線離開【画像】

 骨は本来固い組織ですが、成長期の子供の骨は骨を成長させるために、骨端部に成長軟骨板があるため骨の強度自体は弱く、衝撃で骨端線が開いてしまう事があるのです。

 この場合は、骨の成長を阻害させないためにも最低でも2週間から3週間、完全に修復するには1ヶ月は絶対安静が必要です。

長期間治らない場合の処置方法

 突き指が何か月も治らない場合は、まず指関節がどのような状況にあるのか原因を突き止める事が大切です。

 長期間治らない場合は、前述したように突き指以外の骨折やマレットフィンガー、指関節の骨端線離開なども検討していきます。

 しかし、実際には適切な処置がなされずに放置されていたケースが多いのが現状であり、靭帯組織が緩んだままで運動を再開してしまっているケースが原因です。

 その為、症状が1ヶ月以上、3ヵ月以上と長期化している場合は、指関節の完治を目指し関節の可動域に制限を加える固定処置を行うのが一般的です。

 長期間治らない状態から治療を開始した場合は、回復までに時間がかかるケースが多くなりますが、指関節の固定期間は1週間程度を目安に回復度合いを確認しながら完治するまで継続していく形になります。

突き指が長期化してしまった場合の処置方法【画像】

 固定方法はテーピング処置を代表として装具療法やアルミ板を用いるアルフェンスシーネ固定、プラスチックの型取りを行うギプスシーネ固定などのシーネ固定が一般的です。
⇒自分で突き指のテーピングを行う場合の手順の解説はこちら

 指先のシーネ固定は手の自由度が制限されるため出来る限り固定期間は短く終わらせたいものです。

 しかし、既に長期化している事を考慮すると先ずは突き指の完治を優先させるべきです。

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