突き指の治療法

突き指の治療法や予防方法、また突き指のテーピング方法を専門に初心者向きに解説しております。

突き指の治療方法・応急処置について

 社会人チームで行う練習中や部活動中にもし突き指を発症してしまった場合は、突き指発症直後から迅速に応急処置を行うことが大切です。

 突き指の治療では、この応急処置が治療期間にも大きな影響を与えることから、スポーツアスリートがまず第一に把握しておくべきポイントは、突き指を発症した直後から1分以内には応急処置をスタートさせる事と覚えておけば良いでしょう。

 では、ここからは具体的な治療方法と応急処置方法について確認していきます。

突き指の応急処置の手順

 突き指を発症してしまった場合は、まずスポーツ障害の応急処置の基本とも言える
●RICE処置(ライスしょち)
 と呼ばれる処置を適切に行っていく事が重要となります。

 RICE処置とは、スポーツ外傷やスポーツ障害全般の応急処置方法の基本として非常に重要な処置方法でありアスリートであれば必ず覚えておきたい知識のひとつです。

 では、RICE処置という言葉を初めて耳にされた方の為に簡単な豆知識として名前の由来について確認しておきたいと思います。

RICE処置の内容・項目の解説

 RICE処置のRICEとは、応急処置を行う際の処置方法のイニシャルの頭文字から名づけられております。

 以下に各イニシャルの頭文字とその意味をまとめます。

【RICE処置の内容・項目】
@R = Rest(安静)
AI = Ice(アイシング)
BC = Compression(圧迫・固定)
CE = Elevation(挙上)

 RICE処置は@〜Cまでの流れに添って行う治療方法であり応急処置の大原則でもあります。

 尚、突き指の治療に関しては@〜Aのアイシングにかかるまでの時間が最重要事項となる点を覚えておきましょう。

突き指の治療はRICE処置が基本【画像】

 Bの圧迫・固定、及びCの挙上に関しては最悪の場合は忘れてしまっても構いません。

 特にBの圧迫・固定に関しては突き指の場合は、添え木やテーピングなどで指関節の動きに制限を加えながら固定処置を行いますが、初期段階で固定処置を行うと適切なアイシング処置ができなくなる恐れもあるので注意が必要です。

 また、Cの挙上とは患部を心臓よりも高い位置に保持する事で患部に集まる血流に抵抗を加える事を示しますが、突き指は患部も微少であるため無理に指を高い位置にキープするよりも、やはりアイシング処置を徹底した方が治療としては適切であると言えます。

 その為、突き指の応急処置ではまず安静とアイシングまでの流れを徹底する事を最優先に処置を実践していきます。

突き指治療の実践とアイシングのポイント

 突き指を発症すると、指関節の靭帯組織及び細胞組織は部分的な断裂を起こしているため、内出血を発症するケースが大半です。

 突き指をすると指関節が腫れ上がるのは、この内出血によるものです。

 その為、突き指の治療ではこの内出血を何よりも迅速に抑制する事が大切となります。

 軽い突き指の場合は、腫れも小さく運動を継続する事が可能です。

 しかし、例え多少の痛みであったとしても実践中の競技はただちに中止し、受傷後すぐにアイシング処置を開始する事が重要です。

 RICE処置の概念で言えば、運動を直ちに中止し安静を保つ事が@のRestであり、受傷後すぐにアイシングを行う事がAのIceに該当します。

 実際にアイシング処置を行うと血管の流れが鈍くなり、患部への血液の過度な集中を抑える事が出来ます。

 血液は大量の酸素を必要としますから、一点に血液が集まりすぎると、周囲にあるまだ損傷していない元気な細胞も酸欠を起こして死滅していきます。

 こうなると完全に回復するまでの治療期間が長期化し、場合によっては突き指の痛みが1ヶ月程度続くケースもあるので注意が必要です。

 尚、アイシング処置を行うには小型の氷嚢があると便利です。

 氷嚢はビニール袋に細かく砕いた氷を入れ水を少しだけ含ませてあげるだけで簡単に自作できるので覚えておいて損はないでしょう。

 もし氷嚢が準備できない場合や、準備までに時間を要する場合は、水道の流水をかけ続けるだけでもアイシング効果が得られます。

 水道の流水は地域にもよって異なりますが夏場では16度〜17度程度、冬場では10度前後です。

 アイシングは5℃前後が理想ですから、夏場は可能であれば氷を準備し10度以下の冷たい水でアイシングを行いたいものです。

 尚、北海道や東北地域であれば冬場などは水道水でも5℃を下回るケースもあります。

突き指のアイシングのポイント【画像】

 アイシングはゼロ度に近いほど効果が得られますが、5℃以下の場合は長時間冷やし続けていると凍傷の危険性が出てきます。

 その為、この場合は数分おきに手をタオルで拭いて間隔を空けながらアイシングを繰り返します。

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